プロポーズ編

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「……業務時間中です。遊びはやめましょう吉沢さん」 目を瞑り、怒りを我慢しているのがここから見ていてもわかる。 吉沢さんはそんな柊さんをどこまでも可笑しく眺めていて、眉間から指を離した。 「ちょっとは変わったと思ったけど、やっぱお堅いところは全然変わらないな、お前は」 「変わった?私がですか?」 「あぁ、変わった変わった。色んな感情が随分と顔に出るようになったって周りからも評判いいぞ。御坂さんのおかげだな」 「へっ?私?」 突然出てきた私の名前に背筋がピンッとなった。 そんな私のところに来て吉沢さんは頭にポンっと手を置いてくれる。 「御坂さんがここに来てから柊の雰囲気や顔つきも随分と優しくなったからな。どう考えても御坂さんのおかげだろ?なっ?」 そして撫でまくられる私のおかっぱ頭。頭頂部は吉沢さんのおかげでぐしゃぐしゃになってしまった。
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