プロポーズ編

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「……あまり、あのような視線を送らないように。対応に困ります。あと電話も。何か言われれば私にすぐに代わりなさい。あなたは押しに弱いのですから」 「…………へっ?」 想像していた言葉よりもずっとずっと優しい口調で言われてしまった。 これ、お小言というよりお願い事なんじゃ… 「で、電話は…ごめんなさい。反省してます。でも、あのような視線って?私、何かしましたか?」 身に覚えがない事に首を傾げながら後ろを振り返った。すると、少ーしだけ困った顔の柊さんも首を傾げている。 「先程、吉沢さんに私の変化の事を言われた時、こちらを凝視していたでしょう。ああいう事を社内でされては困ります。ここは家ではないのですから」 「…………あぁっ!」 たしかにそれは身に覚えがある。 私のおかげで彼が柔らかくなった…っと吉沢さんから聞いた時、期待した眼差しで柊さんを見ていた時だ。 あの事を言っているんだ。
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