初恋の香り2

プロポーズ編

だって最近の湊さんは、仕事が終わった瞬間からとてつもなく甘くて優しい事が多い。
それはあの日からだ。
今でも根に持っているんだって思われそうだけど、忘れられない出来事があったあの日。
私の両親の前でプロポーズをしてしまった日から。

あれから５日間が経ったけれど、今でもまだモヤモヤは心に残ってる。
だっていくら優しくされても、改めてプロポーズをしてくれたわけじゃない。
甘い言葉を囁いて甘やかしてくれるけれど、やっぱり言ってほしい言葉以上に喜びは感じられない。

……凄ーーく贅沢な事を言っているのは百も承知だけど、ちょっとくらいは期待しちゃう。

もう一度、やり直しでもいいから二人っきりの時にちゃんと”結婚してください”って言って欲しいなって。
そう期待してしまうんだ。