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「湊さん?」
勝手に突っ走ってしまったかも?っと心配になり、すぐ隣の横顔に声をかける。
湊さんはそんな私の方に顔を向けてくれ、こう言った。
「…温泉は明後日にして、明日はもっと違うところに行かないか?」
「違うところ?湊さん、行きたいところがあるんですか?」
「あぁ、二人で久々に行きたいところがあるんだ」
ソファの背もたれに置かれていた右手は私の肩を抱き、引き寄せられる。
トンッと当たった首筋から感じた温かい体温は頬に伝染して、顔が赤くなった。
「み、湊さんが行きたいって言うなんて珍しいですね?新しい書店でも出来ましたか?!」
焦った私がおかしいのか、喉を鳴らせて笑う彼の声が耳にダイレクトに響いてきた。
ふいに訪れた甘い雰囲気への対応力は、私にはまだまだないみたい。
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