プロポーズ編

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「いや、新しくはないな。ずっと昔からある場所だから。でも、本の品揃えはなかなかだったかな?まぁ、琴ならある程度は分かるかもしれないが」 「…へっ?」 湊さんの言っている事が意味不明で、彼から離れて首を傾げる。 私のその様子に穏やかな瞳を向けてくれるけれど、どうにも話が掴めない。 「明日になったら分かる。また長距離の移動になるから今日は早く寝よう」 湊さんは私の頬に軽くキスを落としてソファから離れて浴室に向かった。 「……何?あれ…」 キスをしてもらった頬に手を当てて、呆然と彼を見送る。 全く意図が掴めず、終了になったお話。 でも、湊さんの事だから変な場所には連れて行かないと思うけれど…… ”早く寝よう”の言葉に多少残念な気持ちを浮かべながら、私は先にベッドに寝転んだ。
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