プロポーズ編

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「さっきの話が気になって眠れません」 枕に顎くっ付けながら、こっちに向かってくる湊さん肩頬を膨らませて訪ねてみた。 こんな事をしても教えてくれるわけがないと思うけれど。 「それでも疲れていれば眠れるはずだが。今日は疲労感が出るほど働いていなかったという事か?」 「そ、そんな事ありません!ちゃんと働きました!」 湊さんは意地悪な笑みを浮かべながら、ベッドの端に座る。 スルッと私の頬を撫でるとそのまま隣に寝てしまった。 「寝不足はむくみの原因になるぞ。早く寝なさい」 「ぐっ…」 やっぱりはぐらかされてしまった明日の行く場所。 それにもう身動きをしない湊さんは、本当に眠るつもりらしい。 観念した私も彼の瞼が閉じた横顔を見ながら肩に手を添えて、そのまま眠りに就いた。
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