プロポーズ編

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そして翌日。 昨夜はなかなか寝付けないと思っていたけれど、やっぱり身体は5日分馬車馬のように働いて蓄積された疲労はしっかりケアを必要としていたのか、目覚めたら時刻はもう午前11時…… めっちゃくちゃ寝坊してしまった。 「はっ!!も、もうこんな時間…お昼になっちゃう…」 勢いよく身体を起こし、隣に寝ていた湊さんを確認する。 当たり前だけどもぬけの殻だ。こんな時間まで湊さんが寝ているはずがないもの。 「おはようござ…」 ”います”っという言葉は続かなかった。 広めのワンルームの部屋を見渡しても、湊さんはどこにもいない。 影さえも存在していない。 座れば後頭部が見えるはずのソファにも、私専属のバーテンダーなんてふざけて思っていたキッチンにも、玄関からも音は聞こえない。
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