プロポーズ編

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「ど、どこ…?どこに行ったの??」 ベッドから慌てて立ち上がり、ソファとキッチンを覗き、いない事を確認した。 「もしかして…また置いてけぼり?!」 昨夜と同じように、また私だけこの家に残されたんだろうか? ここまでされると拗ねるどころかだんだんと悲しくなってくる。 「嘘ー…せめて何か伝言でも…」 そう思っていた時、玄関の鍵が開く音が聞こえてきた。 耳がピンッと跳ね上がる。 「帰って来た!」 パジャマ姿のままリビングから玄関の方へと走って行く。 「どこに行ってたんですか?!」 大きな声を出した私が現れたのを、玄関で白シャツに紺色のパンツの私服姿の湊さんが少し驚いた顔で立っている。 そして何かが入った小さな紙袋を瞬時に後ろに隠された。
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