プロポーズ編

66/92
前へ
/434ページ
次へ
「で?結局どこに行くんですか?」 「窓の外を見ていればその内にわかる。眠ければ寝ててもいいぞ」 「…お昼まで散々寝ましたから」 これは一人、昼間で爆睡していた私への当て付けだろうか? 一人気まずくしている私を見て、彼は視線だけ寄こして笑っている。 その前髪は開けた窓から入ってくる心地いい風に気持ち良さそうに吹かれている。 細めた瞳も今日は何だか穏やかだ。 でもいつも安全運転なはずなのに少しスピードが出てるのは、今から向かうところは時間制限でもあるところなのかな? もうこれ以上は湊さんから情報が聞けないと理解した私は、黙って窓の外を見つめている事にした。 走り始めたばかりの窓の外の景色はいつも出社する時となんら変わりない。
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5014人が本棚に入れています
本棚に追加