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「あの……湊さん、ここって……」
「気付いたか?」
「あ、当たり前です!ここ私の実家の近所じゃないですか!それに今走っている道は、この前の日曜日に案内した通学路です!どうしてこんな所に?!
あっ!もしかして、また実家に行くつもりですか?!」
そしてもう一度挨拶をやり直すつもりなんだろうか?
あんな思いは二度とゴメンだ!っと必死にアピールをする。
なのに、湊さんは軽やかに笑うだけだ。そしてこう教えてくれた。
「琴の実家には、また別の機会に遊びに行かせてもらうことにするよ。
今日の目的は……
ここだ」
言い切ったと同時にブレーキを緩やかにかけて車は止まった。
私側の助手席の窓の外には、もう随分と見ることがなかった懐かしい中学校の正門がある。
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