プロポーズ編

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正門の向こうには部活に励む野球部やサッカー部、陸上部の生徒達の大きな掛け声がグラウンドにこだましており、夕暮れ時の空にバッドに当たったボールが飛んでいくのが見えた。 「ど、どうして中学校なんかに……」 「ここにやり残した事があってずっと心残りだったんだ。昨日、加納先生に会ったのも今日校内に入る許可をもらうために会って来た。 そうとう驚いていたけどな」 その顔を思い出したのかクスッと笑うと、湊さんは運転席から降りて正門のすぐ横にあるインターフォンまで歩いて行った。 何のためらいもなくインターフォンを押すと、すぐに落ち着いた男性の声が聞えてきた。 この声、覚えてる…… 私も図書委員の時お世話になった、顧問の加納先生の声だ。
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