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図書室までの道は自分でも驚くほどしっかりと身体は覚えていて、迷うことなくその場所まで辿り着いた。
「この扉……懐かしいー。ちょっと建てつけが悪かったんだよね」
私じゃ何度も上げて横にスライドをさせて…っと頑張っていた扉。
湊さんはいつも音を立てずに滑らかにスライドをさせていたから、やっぱりあの頃から器用だったんだと思う。
「よっ…んっ…」
軋む独特の音を立てて扉をスライドさせた。
そして目の前に現れたのは、10年前と何にも変わっていない、あの頃と全く同じ図書室だ。
3階にある図書室には風がよく入り込むからカーテンがふわっと穏やかに揺れている。
きちんと整理整頓された机と椅子は、綺麗に並べられていて今でも図書委員の子達がちゃんと仕事をしているんだろうっというのが伝わってくる。
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