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「昔もそんな驚いた顔をして俺の事を見ていた。ついでに顔も真っ赤に染め上げて」
「しょうがないじゃないですか…好きな人が突然現れたら、誰だって私みたいになります」
「そうだな。俺も琴の顔を見た後はいつも赤らめていた気がする」
カウンターに持ってきた鞄を置きながら衝撃の事実を話してくれる湊さん。
その話題に食いつかないわけがなかった。
「えっ?えっ?そうだったんですか?!全然そんな風には見えませんでした!」
「それはそうだろう。見せないためにわざと離れた席に座っていたのだから。
火照りが収まってから琴のところに行っていたんだ」
湊さんが見つめる先は彼自身が座っていた席。
湊さんも覚えていた事が嬉しくて、つい声を出して微笑んだ。
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