プロポーズ編

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また、とくんって可愛い音が胸に鳴り響いた。 あの時の彼が成人した姿でここに現れて、こうして過去の事を語り合えている。 物凄く、不思議な時間だ。 「あ、あの、そういえば加納先生は?私、てっきりここで会えるのかと思っていたんですけれど」 「あぁ、先生は校長室にいる。加納先生にはここを開けておいてもらうように頼んだだけだから。 後で二人で会いに行こう」 「そう…なんですか?えっ?そのために昨日、先生に会ったんですか?」 「とても大切な事だから。どうしてもここで言いたかったんだ」 今、とくんって音が今日一番の大きな音が鳴り、彼を見上げる私の身体を硬直させた。 ”大切な事”ってなんだろう…… 加納先生まで巻き込んでいったい何がしたいんだろう、湊さんは。 一直線に見つめる彼は懐かしさに瞳を揺らめかせながら、椅子に座っている私を見つめている。
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