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でも自分でも記憶にある自分の姿はガチガチに固まって、脅えまくった姿だったと思う。
よくそんな私に好意を寄せてくれたと不思議で堪らない気分だ。
「実は本の所在を聞くとき、分かりやすいようにア行から順番に聞いていたのを気付いていたか?」
「えっ?そうだったんですか?!」
全然気付かなかった……
あの時は話しかけられて本を探す事に精一杯になっていて、そんな事を気付く余裕もなかったから。
「あぁ、そうまでして琴と繋がりを持ちたかったんだ。10代の俺なりに必死だった」
夕陽の色じゃない朱色の色が彼の頬を染めている。
こんなに照れている彼を見るのは久しぶりだ。
そうまでして私に伝えてくれている今の彼を愛しいと思う気持ちは、溢れて止まらなかった。
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