プロポーズ編

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「琴は?俺の事をどう見ていた?」 そう言われて、当事の自分を思い出す。 あの時の私は彼がする行動、仕草一つ一つに見惚れていた。 それだけだった気がする。 だから 「私は……中学生だった頃は湊さんをただ見るだけで満足していたから… 話しかけるなんてとても出来なかったから、こうして些細な会話でも緊張はしたけれど、でも、凄く嬉しかったの覚えてます」 そう答えると、とても満足な表情を浮かべてくれた。 言葉には表さなかったけれど、「よかった」って言ってくれているみたいだった。 そして、湊さんはカウンターに置いてあった鞄から丁寧に、そして慎重に何かを取り出した。 紙独特の音を鳴らせて現れたそれは、真っ白な小箱。 小箱に記載されているブランド名は、今朝見たあの小さな紙袋と同じブランド名だった。
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