プロポーズ編

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そんな自分の姿を思い出して滑稽なのか湊さんは笑っていたけれど、私は嬉しくて震えと涙が止まらなかった。 だってもし考えが間違っていなければ…… 「もしかして、昨日加納先生に会いに行ったのも今日のために?」 「事前に電話をして全て話して相談に乗ってもらった。 喜んでたよ、教え子達が結婚するなんて!って。式には呼んでほしいとまで言われたよ」 「先生……気が早い……」 「喜んでくれているんだ。あとで会いに行こう」 「…はい。でも、今は…」 「あぁ…おいで」 席から腰を浮かし、両腕を伸ばして湊さんに抱きついた。 少し前屈みになった彼は私を受け止めてくれ抱き締めてくれる。 絡めた腕の目線の先に見えるのは、もらったばかりの指輪が視界に入る。 その輝きは今の幸せを主張してくれているようで、また涙が零れた。
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