プロポーズ編

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「ありがとう…ございます」 「んっ?」 「ちゃんと二人の時に……プロポーズ、してくれたから」 「嘘つきにはなりたくなかったからな」 「ふふっ。ちょっと思ってました。湊さんの嘘つき!って」 「汚名返上は出来たか?」 「もちろん!もう充分すぎる位です。 幸せ過ぎて…どうしよう」 「これからもっと幸せになる。俺が幸せにするから」 きゅっと腰に回った彼の手の力が強くなった。 それが彼の誓いを聞けたような気がして、幸せの溜め息が漏れた。 「私も…もっともっと頑張ります。お仕事もお家の事も。湊さんに居心地のいい家だって思ってもらえるように」 それはずっと思っていた。 家族の温かさを早くに無くした彼に、私がしてあげれる幸せの形はきっとこういう事だって。
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