第1ヒント

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そろそろ日も落ちてきて、 太陽が水平線に沈んでいく。 私達2人を残したまま 静まり返った教室は、 放課後の暇を潰す場所に、 ちょうど良かった。 黒板に書いた落書きを消す 私、駒沢 未樹と 窓際の3列目にある自席で ノートにペンを走らせる藤井真由子は 小中高と同じ学校に通い、 家もそこそこ近いところにある いわば幼なじみ。 共感できる趣味も、 考え方も、 科目の好き嫌いも、 好きになる異性のタイプも 全然違う私達2人なのに、 オレンジ色の光が差し込む 放課後の教室で いつもこうして暇を潰す。 めちゃくちゃ会話するわけでもなく、 全く会話がないわけでもない。 私は教室内をフラフラしてみたり、 適当に座って ケータイをみたりしてるけど、 真由子は、いつもノ-トにペンを走らせてる 校内巡回の先生が 教室を施錠しにくる前に教室を出て、 家までの道を、 2人並んで帰る。 いつもの帰り道、 目の前に人影が見えた。 じゃれているのか、 争っているのか。 大した興味も示さず、 私達は道を変えて家に帰った。 家に着いて、 玄関を上がろうとした私の足が止まる。 …さっきのは、 なんだったのだろう。 考えがまとまる前に、 私の足は外へと向かっていた。
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