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ｸﾞﾆｭｯ
思ったよりも柔らかい感触。
ほんとうに刺さっているのか
不安になるほどあっさり刺さった。
グニュグニュと、
ナイフの先を動かす。
ナイフを抜いて、
また位置を変えて差し込む。
赤黒く体が染まっていく。
もう女の人は動かない。
見開かれた眼には生気がなくて、
ピクピクと動いていた手足も、
さっきまで脈打っていた心臓も、
もう、微塵も動かなかった。
なんだ、こんなに簡単なんだ。
男の人は無表情だった。
ただ呆然と、
えぐられていく女の人の腹部を
見続けている。
返り血を拭き取って、
ナイフを男の人に渡す。
最後にもう一度顔を見合わせたけど、
ほんとうに整った顔だった。
無関心そうな顔で、
どこか眠そうで。
無言のまま、
家へと足を進めた。
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