第1話

2/9
前へ
/9ページ
次へ
子供達によく言われる。パパとママの昔話が聞きたいって。私には子供と同じ歳くらいの…小学生の頃の事を覚えていない。思い出そうとしても思い出せないでいる。なぜか分からない。お母さんに聞いてもトオルに聞いても答えは帰ってこない。 それより小さい頃は覚えているのになぜ小学生の頃は覚えていないんだろってずっと思ってた。でも最近少しだけその時の記憶が浮かんでくる。きっかけはコウタの一言。 「スミレは今と違って小さい頃は内気でさ」 そう言ったコウタはしまったと言わんばかりに口を閉じた。昔の私を知ってるの?そう聞いても勘違いだったって言うだけ。 そもそもコウタと知り合ったのは大学。初めての会話も久しぶりじゃなくて初めましてだった。だから小さい頃の私を知ってるはずがない。知ってるはずがないのに…何であんな一言が… 私が思い出せたのは好きな男の子がいた事。名前は思い出せないけど何かから私を守ってくれてたんだ。大事な事なのに何で思い出せないのかな…
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加