甘味には勝てなかったよ…

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なんて走馬灯をしながらも意識はここにある。 このまま気絶出来た方がどれだけマシか。 そんなことを考えながら待つ。 辺りに光が満ちる。 どんな魔法がかけられるんだろう? 洗脳って何? どう洗脳するの? というより暴れると死ぬという不穏な単語がある時点でおかしいです、はい。 被害を出来るだけ最小限に抑えようとひたすら無になる。 動かない。 動いたら死ぬと思え! 割とその通りかもしれないという恐怖に身体が本気で固まる。 そして光が消えた。 ん? 何か変わったのかな? そっと眼を開く。 興味津々な目で見つめてくるパチュリーと咲夜さん。 そんな目をされたって私には何も起きてな… 「っ!?」 な、何この…この何というかなんていう感覚は!? 身体の底から何かを欲するものが生まれる。 「け」 「け?」 「ケーキが食べたい」 「「よし!」」 何ぞこれ。 私は今自分でなんて言った? ケーキが食べたい? はてそんなこと思いもしない筈なのに。 でも、身体がそれを求める。 甘味を求めている。 凄く気持ち悪い。 「あ、あの…」 「何も言わなくていいわ、美鈴。」 パチュリーが私が口を開くと同時に言ってくる。 「あなたはただの甘党になっただけよ」 なんだってー!? ていうか何そのしょうもない洗脳は!? ていうか洗脳っていうのこれ!?ああもう甘い物食べたいなぁおい! 「はい。」 咲夜さんがケーキを見せる。 ふ、ふふそんなものにこの私が… 「はぁ…はぁ…はぁ…」 「ここまで効果があるなんて思わなかったわ。」 「ええそうね。ここまで効果があると逆に恐ろしいわね。」 「はっ!」 しまった思い切り釣られてしまった。 なんて洗脳なんだ! こいつは恐ろしいぞ……
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