甘味には勝てなかったよ…

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「あ、お嬢様」 「え?」 「あら美鈴、誰が5歳と4歳なのかしら?」 わーお。 まさかさっきの口に出しちゃったのか!? 出しちゃったのか私!? 馬鹿野郎! 自ら墓穴を掘ってどうする!? 「いや、あの、それは、そう!チルノとルーミアですよ!」 となんとか罰を避けようと必死に抵抗を試みる。 「でも咲夜とのあの会話の流れからして……」 あ、これ詰んでますわ。 「……せめて痛くしないでください。」 生クリーム塗れの床に思い切り土下座する。 なんという姿。 べちゃあ、と四肢と顔に付着する生クリーム。 うん甘いや。 「加減くらいはするわ。実験体が居なくなってもアレだしね。」 言葉だけだとすごく優しそうに聞こえる。 言葉だけだと……! 実際その雰囲気と表情は大変なことになっています。 はい完全に手加減する気ありません。 本当にありがとうございます。 覚悟を決め衝撃に備える。 本日2度目の意識が飛ぶ感覚が訪れた。 ……。 目を開ける。 身体を起こ…せない。 まーた貼り付けですか…… 裸じゃないだけマシと思いながら、周りを見渡す。 「うわぁ……」 悪化していた。 なんということでしょう。 匠の手により紅魔館は糖魔館に早変わりです。 部屋一面に生クリームがコーティングされて、その所々赤みがかった部分は苺だろうか? なんともショートケーキを彷彿とさせる空間が広がっていた。 それを見て私の洗脳された身体はと言うと。 ガタッ!ガタガタッ! 興奮していた。 落ち着け、落ち着くんだ我が身体。 昔の自分を思い出せ……っ! と心で何を思っても身体の言うことが効かない。 うんこりゃ無理ですわ。 と、身体の操作を身体に任せつつ頭では別のことを考える。 「これからどうしよう……」
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