甘味は最大の敵

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なん……だと…… そこには見慣れない光景が映る。 なんというか名状しがたい光景なのだが、やはり名状せねばなるまいて。 私は幻想郷の一つの大きな建物に住んでいる。 名は紅 美鈴。 あ、べにみすずって読んだ人後で屋上ですから。 ここ紅魔館に門番として雇われてもう何年になるだろうか? 割と長く経ってる気もする。 この紅魔館というところに就いた頃は奇想天外な事が多かった。 ある時は拉致られ。 ある時は紅い霧が出てきて。 ある時は巫女に襲われ。 ある時はメイドに襲われ。 ある時は吸血鬼に襲われ。 うん、我ながら襲われてばかりだと思いますね。 でもなんというかその過去を振り返っていると大変ではあったものの楽しかったんだなぁって思う。 「でもこれはおかしい。」 だけども今現状こんなことになってて… いやもうどうやって言葉に表せば良いのだろう? 地獄絵図とはまた違ったカオスを感じる。 ぶちまけられたスイーツの数々(主にケーキ)。 そこに横たわるこの館の主人レミリア。 そのレミリアのスカートの中に頭を突っ込んで倒れている紅魔館のメイド長、咲夜さん。 さらにその咲夜さんのスカートの中に頭を突っ込んで倒れているレミリアの妹フランドール。 紅魔館の屋内が騒がしくて、突然静かになったものだから気になって見てみたらこの有り様である。 うん、酷いね。 いや、私の昼寝よりも酷い。 咲夜さんがピクッと動いたのは気のせいだろう。 「いやこれどうしたら…」 流石の私も対応に困ってしまう。 話しかければいいの? 「うへ…うへへへ……」 咲夜さんがピクッと動いて今度は変な言語を発している。 「ふむ…」 考えてみる。 この状況… 「まずは警察かな。」 あ、幻想郷に警察なんてなかったね。
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