甘味は最大の敵

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「あの、つかぬ事をお聞きしますが、先程何をしてらっしゃったので?」 咲夜さんも居ないし気になるしでフランドールに聞いてみる。 1番普通に答えてくれそうだったから。 「ケーキごっこ」 それは具体的には何をしていたんですかねぇ…… ああうん、分かってましたよむしろ。 誰に聞いても訳のわからない返答が返ってくることくらい。 「甘い物塗れになりたいって思ったことないかしら?」 「ありませんよ、何ですかそれ」 そんな中レミリアが口を開く。 もしかして説明してくれるのかな? 「言ったのよフランが」 「何をですか?」 「今日のおやつはケーキって」 「はい」 「それでこうなったの」 「はい?」 結局わけわからないじゃないですか、やだー。 そろそろ疲れてきた。 というよりそろそろ思考放棄したくなってきた。 紅魔館ってこんなに訳のわからないとこだっけ? 「勘違いしないで欲しいのだけど」 「まだ何かあるんですか?」 レミリアが続けるように口を開く。 嫌な予感しかしないのは気のせいだろうか? 「私は甘い物ってそんなに好きじゃないのよ?」 「さいですか…」 だからどうしたと言うのだろうか? だったらそんなにケーキ塗れのお洋服を着替えても良いんじゃないんですかね? 「えー!お姉様楽しんでたじゃん!」 フランドールがレミリアに食い付く。 うんまあ私にとってどうでもいいことなんでしょうけど。 「ち、違うわよ!あれはフランに合わせてただけよ!」 「咲夜ぁもっとぉもっとぉ…」 「やめんか!!!!」 「痛い!」 目の前で繰り広げられる吸血鬼姉妹コント。 見てるだけなら微笑ましいんだけど、お嬢様のカリスマなんてなかったってレベルで酷いことになってますよ? 「お姉様ぶつのは反則よ!」 「痛い!」 今度はレミリアが叩かれる。 ふむ…… このまま見てるのもなんだかアレだしなぁ… 私は止めるべく、2人の前に飛び出した。
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