甘味は最大の敵

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「あなたが悪いのよ?」 「何がですか」 「御二方の馴れ合いを邪魔しようとしたから」 「何のこったい」 「ん?」 「すみませんでした」 もう反射的に謝ってしまう。 だから意味がわからないことを平然と言わないでくれませんかねぇ! 「お嬢様と妹様の絡み合う姿……っ!あぁ!考えただけで鼻血がっ!」 「これはもうダメかもわからんね」 この人本格的にダメだ。 ていうかそれだけで私をあそこまでの拷問にかけないで欲しい。 刺された時の痛みって想像以上に痛いんですよ? 「とにかく、お嬢様と妹様の絡み合いが始まったら何もしない。良いわね?」 「はい」 まあおかしいなんて思いながらもこう返事するしかないんですよ。 私だって命は惜しい。 こんなことで命に危険を及ぼすくらいなら甘んじておかしいという感情は抑えます。 当たり前ですね。 「それで出来れば撮影しなさい」 「さすがにそれは…はいやります。」 もう銀色の何かがチラつくだけで太ももが疼きますよ。 2人の絡みが始まったら…… 私→撮影役 咲夜さん→悶える役 らしいです。 何か常識が欠落してるんじゃないだろうかって思うけど、ここではこういうのが常識なんですよね。 私の常識はここでは非常識らしいです。はい。 紅魔館での生活も長い。 筈なんだけどまだ慣れてないことのが多い気がするのは気のせいだろうか? 私が門番やってる時間が長いから馴染めてないだけか? あんまりこんな奇想天外な事態に慣れたいなんて思うことはないけれど。 刺されなくなるくらいの常識?は身に付けておきたいのは事実です。 はいとにかく痛くない方向で過ごしたいんです。切実に。 とかやっている間に。 「お姉様!今私のケーキ取ったでしょ!」 「あれ?そんなことしたつもりないわよ?」 「はぁ!?ここにあったの消えたなんてお姉様が犯人であることは確定的に明らかよ!」 「私はここの主人よ?つまりこの館にあるものはみんな私のモノ。フランはその分けこぼしを貰っているにすぎないわ。」 「何よそれ!理不尽!悪魔!お姉様!」 うん、まあいがみ合ってる吸血鬼姉妹が可愛いってことはわからなくもない……かな?
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