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私の母、七未(ナミ)がまだ若き10代だった頃の話し。
七未は所謂(いわゆる)箱入り娘だった。
世間知らず。本と家族が七未を育てた。
負けん気で馬鹿にされる事を嫌い、物事に対して必要以上に責任感を感じる、
友達思いな、素敵な恋を夢見る女の子だった。
本で育った七未は特に「アンジェリク」「ガラスの仮面」が好きだった。
いつか自分もこんな恋愛をして幸せになれるはず、と信じ、辛い日々が救われる
その日をずっと夢見ていた。
そんな七未も年頃の女の子に成長し、
少しずつ世界を広げて行った。
友達もでき、親友もでき、そして
七未が18歳のとき
産まれて初めて恋をした。
激しい激しい恋をした。
とても辛くて悲しい、燃えるような恋をした。
相手は同じ学校の男の子。
彼がそもそもの元凶だった。
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