第8章 強敵

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「そうだ。強敵がどうのって、なんのことだ?」 古沢はクククと変な笑い方をした。 「かなりの強敵だ」 「は?」 いつもの古沢のもったいぶる言い方に、少々イライラしてきた。 「はっきりと、分かるように言えよ」 「俺は、スパイをしてる」 まるで、演技してるような口振りだ。 「だろうね。茶店のあるまじき行為だ」 「進展なしだろ?」 古沢は得意げに言った。 「お前さ。面白がっていないか?」 つい不機嫌な口調になった。
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