夢か恋人か

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「三年は帰ってこないと思う…」 鈍器で殴られたような、鋭い痛みが頭に走った。 「三年…」 海外事業部。 それは、最近立ち上げられた、社員憧れの的で、異動を希望する人も少なくなかった。 しかし、そこは狭き門。 プロジェクトに参加できる者の人数は限られている。 まさか、主任が選出されるなんて…。 「なぁ、明。俺、海外事業部のプロジェクトに参加したいと思ってる」 「はい」 「だけど、明と三年も離れるのは耐えられない…」 主任は素直な気持ちを私にぶつけてくれた。
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