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幼いころからずっと武器を振るい、体を鍛えてきた。その時にいろいろな目で見られてきた。期待の目、悲愴の目。それはよくあることだった。
「なあ、ルマーカ、いつまで素振りしてるつもりだ」
友の声に耳を傾けながら巨大な武器を振るう。使うことはあまりないと思われる物。友人と自分で作り上げた武器。持ち手が手に余るほど非常に長い。その白銀の大剣を薙ぎ、振り下ろす。
「ふっ」
持ち手を後ろに持ち、槍のように持つ。空を突き刺し、振り払う。
「おーい!おーい!!」
「…うるさいっ、今は集中させてくれ」
いい加減耳障りになってきた。武器を薙いだときに聞こえる風切り音だけを耳に入れることにした。
「………で、どうなんだ?偵察部隊は?」
ふとした疑問をぶつけてみた。
「ああ。帰ってきたよ」
「結果は?」
「いつも通り。補給部隊がお互いに出されるようだ」
「了解。いつも通り襲撃だな」
槍を振るうのやめ、息を大きく吐く。
「……さて作戦会議か」
薄暗い小さな小屋の中。
「そろそろ床変えるか?」
ぎしぎしと嫌な音を鳴らす木製の床。
「…資材に余裕があったらな」
少しでも資材を備蓄し、いつかおこる他属性の崩れの時に襲撃を仕掛けるためにも少しでも重要なのだ。
「………周囲確認を」
「…オールクリア」
あたりを見渡し、机の下の床に触れる。床をめくり、はがす。そこにあったのは南京錠の付いた鉄格子。その先には小さな梯子。梯子に手をかけ暗い闇に降り始めた。
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