第4話、波と双曲線

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第4話、波と双曲線

昔、昔、ある男が、ヨーロッパのほうから、地中海の東へ旅をしていた。 その男は、ある商業使節団の一員だった。 その男は、昔、つまり、若い頃、地中海の東や、オリエントのほうで、活動していた。 その男の名前は、[ フイント… 、イーラー ]のような名前だ。 Whint……… 、…………。 意味は、[ 白い……… 、………空………]だ。 白い空ではない。空で白といえば、雲がある。フイント… 、…イーラー… 、は、雲という意味ではない。 たぶん、白い鎧、甲冑や、白い兜を身に付け、白い柄の武器を持っていた男だ。 きれいな白、に、光が当たると、反射、乱反射して虹色に輝く。 と、すると、イーラーの部分は、アルク・アン・シエルの、シエルの最後の2文字、…エルのことだ。 [ フイント… 、…イーラー… ]は、白い武器や甲冑に光が当たって虹色に輝く、というような意味だ。 もうひとつ可能性があって、それは、 光が当たると七色の光が出る白い石 ( 宝石、ガラス… ) 。つまり、プリズムだ。 昔、昔に、プリズムがあったのか? それは、あった。 ハインリッヒ・シュリーマンが、トルコで発掘してくれている。 でも一応、白い鎧に光が当たって虹色に輝く、という意味の可能性のほうが高いと思う。
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