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「え!?何何何何!?どゆこと!?」
己の四肢に目を巡らせ、身体の各所を手で探り。
金髪は大いに狼狽する。
「そりゃ、まぁ、君は父さんの”能力”で”造られた”存在だからね。」
「あ・・・」
青年の、抑揚も感慨も、毛程すら無い言葉に金髪は虚ろな目を向ける。
「今まで保ったのは・・・まぁ、残留思念みたいな物なんだろ。よっぽど強い念、だったんだろうね。」
「・・・いや・・・」
「でも、多分、父さんが死んで・・・二、三時間かな?そろそろ限界なんじゃない?」
「いやあぁぁぁ!」
金髪は膝を崩し。
頭を抱え。
それをぶんぶんと振り乱し。
「消えたくない!消えたくない!消えたくない!消えたくない!」
唾液はおろか。
涙。
汗。
鼻水。
あらゆる体液で顔をぐちゃぐちゃにしつつ。
「私は一体何なの!?変態オヤジの欲で産み出されて!それを満たす為だけに生きて!それが終われば消滅なんて!そんなの酷い!酷いよぉ!」
「・・・」
男は憐憫の情を瞳に映し。
青年は虚無そのままの目で。
少女は眼差しに疑問符を浮かべ。
三様の視線で、その金髪の恐慌を眺めていた。
と。
「あれ?どしたの?」
少女に寄り添っていた生き物の一つ、大柄な蛇が、金髪をしゅるり、と回り込み。
「・・・え?」
そして、その大口を開け。
「ちょ!?え!?何!?」
”丁度良い獲物を見付けた”とでも言うのだろうか。
「ま、待って待って待って!き、きゃあぁぁ!」
金髪を足から呑み込んで行く。
「た、助けて!ねぇ!助けてよ!」
金髪はもがき、その掌を三人に向かって伸ばす。
が。
一同、唖然、忘我の態で、その手を取る事を考えも出来ない。
「ひいぃぃ!」
とうとう、下半身が丸々蛇の腹中に収まった。
と。
「や、やめ・・・え・・・?」
蛇の蹂躙は、そこでぴたりと止まり。
見ると、その頭部は溶けたかの様に消えて。
そう、丁度、金髪の下半身と蛇の身体が入れ替わったかのような状態。
「あ・・・」
それに至り。
金髪の身の、散り行く状況、消滅が。
止まった。
「な・・・何で?」
「ああ。」
青年がそれに気付き、口にする。
「君は、妹の造った”幻想”と融合したんだね。」
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