第1章

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回想は一週間前に遡る。 「カナちゃん、また来てくれたんだね」 そう言ってクスっと笑うのは幼馴染…親友の妹の「ユリ」 ぼくの大切な「妹」で、ぼくが生きている目的(いみ)と言っても過言でもないような存在だ。 「まぁ…約束だし…」 ユリは入院している。 中学3年生の頃、大怪我をして、精神的にも参ってしまったのが原因だ。 その怪我で、ユリは片手を失ってしまった。 全部、ぼくのせいだ… 「そんな思いつめたような顔して、まだ気にしてるの…?」 「そ、そんなことはないよ、そんなことは…」 ユリは優しい。 だからこそ、辛いのだ。 昔も今も、ユリに支えられて生きてきたぼくには、どんな行動を持ってしても、辛い… ただ、ずっと後悔しているわけにもいかないし、ぼくはユリに言われた通り、日常を楽しんで、その話を週に3回、聞かせに、会いに行っている。 たわいのない話にユリは面白い、とか楽しい、と言ってくれるが、ぼくは罪悪感が消えない。 ユリに何かしてあげないと、と思いながらもユリを見るたびに涙が出そうになる… だがそこは耐え、ユリにいつも通り、優しく話しかけ、一緒に過ごす。 それがぼくの幸せで、ユリへの罪滅ぼしだとわかっての行動だ。 「じゃあ、今日は帰るよ」 「うん、無理しないでね?」 そんなこんなで今日のところは病室を出る、これ以上いても、心配させてしまうだけだ、ユリはああいう子だから…
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