恋愛奴隷Ⅰ

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「少しは思い出せたか?」 「誰かをイジメて奴隷にしてたのは思い出したけど… 何をしたかまで覚えてない…。 ごめん…」 「謝るなよ。それで俺は由香を好きになったんだから。」 「…あんたドM?」 「その時はな。」 「…で?…私、何した?」 「今からお前に試してやるよ。」 「なんか、怖い…」 「別に、死ぬわけじゃねーから安心しろよ。」 「うん…」 「ここに座れ。」 言われるがまま、床に座った。 「そんで、土下座して許しをこえ。」 「許しってなんの?」 「ダメで何の役にも立たない、自分が生きてしまってることに対してだ。」 「私、そんなひどいこと言ったの?」 「言った。そんでこう続けた。」 「何?」 「お前なんか、生きてる価値ない。」 「うそ!そんなひどいこと言ってたら絶対覚えてるよ!」 「言葉では言ってない。そんな眼で、俺を、見下したんだ。」 「あっ……」 全部、思い出した。 確かに、そんなこと、あった。 でも、なんで… そんな展開になったんだっけ? 思い出せない…。 覚えてない…。 だから、聞いてみる。 「なんで、そうなったの?」 「それは自分で思い出せよ。」 「無理かも…」 「そうだよ。思い出せないぐらい些細な理由だよ。」 「ごめん…許して」 「あの時の俺もそう言った。 同じように返してやるよ。 …許さねーよバカ。一生な。」 彼は、こう続けた。 「俺は、、お前に復讐と屈辱を与える為に生きてきたんだ。 …でも、それ以上に今はお前を愛してる。」 龍哉の指先が、私の顎をクイッとあげた。 そのまま、キスされた。
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