恋愛奴隷Ⅰ

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「おかしいだろ?イジメてた相手が自分を好きなんて。」 「うん。理由が全くわかんない。だって普通なら、そんな人間とは二度と関わりたくないし…」 普通そうだ。 私も、そうだ。 自分をイジメてた相手になんか、 二度と会いたくないし。 視界にさえ、入って欲しくない。 「てかさ、意味わかんないよ?」 「なにが?」 「イジメられたから好きになったの?」 「最初はな。憎んでたし、恨んでた。なんで、俺をって。…でも、気がついたら好きになってたんだよ。」 「そこよ!そこんとこがおかしい!絶対おかしい!」 「?」 「それで好きになる理由がわかんない!普通、逆じゃない?普通、嫌いになるでしょ!」 「自分でもわかんねーよ。好きに、、、なっちまったんだよ。」 「あーわかった!龍哉、きっと私に憧れてたんじゃない?」 「…憧れ?」 「ほら、よくいうじゃない。 人って自分より強くて、 自分にはないものを持ってるに憧れちゃうって、 だからそんな感じで私に憧れちゃって… …それで私のこと好きになっちゃった的な!」 「そんなもんなんかな。よくわかんねーけど。」 「ねぇ…」 「なんだよ?」 「私達、恋人になっちゃダメかな?」 「バカか。俺は最初から由香を恋人だと思って接してんだよ。」 「…じゃあ、あの最初の約束なんだったのよ?」 「あれは俺の願望だ。 あの時の由香、別に俺のこと何とも思ってなかっただろ?」 鋭い…。 バレてる。
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