恋愛奴隷Ⅰ

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次の日。 私達は、二人揃って仕事を辞めた。 あまりにも突然だが、 まあ、あんなことがあったわけだし。 仕方がない。 正直、優也が上司の会社になんて居づらいし、居られない。 二人の職探しが始まった。 できることなら同じ職場がいい。 そんな希望は、難しいと思ってたんだが、 恋人・友人とご一緒でも御気軽に応募可能。 そんな変わった条件を自ら募集しているところが意外と多くて、 案外、あっさりと次の職場は決まった。 ちなみに、液晶テレビをつくる工場だ。 私は、龍哉と、 社内寮で同棲生活することになった。 これからは、 一緒に過ごす時間が必然的に増える。 いつか龍哉とは同棲したいと思ってた。 この日、初めて聞いたのだが、 龍哉も実は、 そうしたかったらしい。 同棲なんて言葉が、 今までどちらの口からも出なかったのは、 きっと、お互いの距離が近すぎててたからだ。 そして、今までは、 それで満足してたからだ。 でも、今は満足できない。 同棲っていう、次の欲を、 知ってしまったからだ。
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