恋愛奴隷Ⅰ

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「…いけない!遅刻だ!」 その日の朝は、そんな感じで朝からバタバタでした。 龍哉は、昨日、夜勤。 もうすぐ帰ってくる。 私は、今から出勤。 この生活に変わったのは突然。 丁度、一週間前だ。 理由はわからん。 会社の勝手な都合だろう。 すれ違うような生活。 少し嫌気がする。 そして、寂しい。 でも、悪いことばかりじゃない。 ささやかな楽しみがある。 帰ってから、爆睡してる龍哉に、 「ただいま」 …ってキスして起こすことだ。 寝ぼけながら、目をこすって、 「おかえり」 ってキスをする。 その寝ぼけた顔が可愛くて堪らん。 その逆も、もちろんある。 「起きろよ。…さっさと起きねーとキスしちまうぞ?」 龍哉はそんな感じだ。 それがなんか新鮮で、 唯一、楽しみだから頑張れる。 「ヤバい!もうこんな時間!」 メイクに時間かけ過ぎた。 急いで、バス乗り場に走る。 「…よぉ、元気か?」 曲がり角を曲がった瞬間、 背後から聞き覚えのある声がした。 「…?」 急いでたはずなのに、 なぜか、振り向いてしまった。 「…優也、、なんでここに?」 優也がブロック塀を背にして、 腕組みして立ってた。 意味不明。 なんで、こいつがここにいるのか意味がわかんない。
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