恋愛奴隷Ⅰ

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「…やめて。ケンカなんかする意味ないよ?」 龍哉の服を指先で掴んで小さく言った。 「悪いな由香。 あそこまで言われて引き下がれるほど、 俺はバカじゃないし、お人好しでもない。」 そう言って、龍哉は優也に殴りかかっていった。 龍哉なら負けないと思ってた。 バキッ…! 「…えっ?」 鈍い音がして、顔面を殴られたのは、龍哉だった。 鼻血が出て、 殴られて口の中を切ったのか、 口元からも血が出てる。 大丈夫ッ!? …って近寄りたかった。 でも、 怖くて出来なかった。 私って、ほんとバカだ。 「うぬぼれるなよ。2回もテメェ殴られたのは単に油断してたからなんだよ。」 「まぐれで当たっただけだろ」 「そう思うなら当ててみろよ」 立ち上がった龍哉は、 鼻血を拭って、 また殴りかかろうとした。 ボゴォッ! なんか、すごい音がして、 龍哉の腹に優也の拳がめり込んだ。 龍哉は、吐いた 倒れそうになる龍哉を、 優也が両手で胸ぐらを掴んで無理矢理立たせた。 龍哉と優也の顔がすごく近い… 「お前には、由香は守れねーよ」 「…決めつけんなよ。守りかたなんて人それぞれだろ。」 「守ってやんなきゃいけねー時に守れなきゃ… なんの意味ねーだろうがッ!!」 優也が、龍哉に頭突きした。 頭突きの衝撃で、 龍哉は背中から倒れた。 ドサッ… …って音とともに、 龍哉の戦意が力尽きた気がした。 image=494546129.jpg
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