恋愛奴隷Ⅰ

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龍哉は、さっさと再就職を決めたらしい。 だが、 私は、なかなか再就職先が決まらない。 この時、 私達が別々の生活を始めて、 早1ヶ月が経とうとしていた。 会えない寂しさから、 毎日、龍哉と電話する。 「早く仕事しろよ。こっちは明日も仕事なんだ。切るぞ」 「あっ!待って!」 「…ッー…ッー……」 「…チッ、切られた。」 最近は、すぐこんな感じで切る。 かけ直してやろうか。 …って、たまに思う。 けど、しない。 疲れてんのかな、 とか考えると気が引ける。 寂しいよ…龍哉。 会いたいよ…龍哉。 ほんと、意地悪。 少しくらい、 話してくれてもいいじゃん…。 ……バカ龍哉。 顔を埋めた枕が、 寂しさの涙で、 ほんの少しだけ濡れた。 ***************
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