恋愛奴隷Ⅰ

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「終わった…」 気合いと根性で、 麗奈に任された全ての仕事を終わらせた。 もう誰も残ってないオフィスを、 そそくさと片付けて足早に出た。 出た瞬間、 麗奈の声がした。 「…お疲れ様。よくあれだけの仕事できたわね?感心したわ。」 背中を壁につけて、 腕を組み、 足を交差させて壁に寄りかかっていた。 「…気合いと根性で頑張りましたから。」 「明日もお願いね。」 「今日でやめさせてもらいます」 「は?」 「…正直さ、これあなたの憂さ晴らしでしょ?」 「勘違いしないでくれるかな?」 「勘違いなんかじゃないと思う。…自分が龍哉に愛されないからって、私をいじめないでくれるかな?」 「……」 私の言葉は、 たぶん、マトを射ていたと思う。 だから、麗奈は暫く沈黙した。
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