恋愛奴隷Ⅰ

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「いいわよ。別に仕事やめても」 意外とすんなり、了承してくれた。 この時は、そう思った。 ペコリと小さく頭を下げて、 立ち去ろうと麗奈に背中を向けた時だった。 「…こんなことぐらいで逃げるなら、 龍哉のこと、私が奪っちゃおうかな♪」 振り向くと、 まるで勝ち誇ったかのように麗奈が不敵な笑みを浮かべてた。 「だってそうでしょ? こんなことぐらいで逃げちゃうってことは、 大して心が強くない証拠だもん。きっと、めげずに頑張ってあんたの心を壊せば、私にも龍哉の恋人になるチャンスがあるってことだもんね♪」 「…バカ言わないで! 私の龍哉に対する気持ちは絶対に壊れないからッ!!!」 「でも、会社やめるんでしょ? 会社やめてもムダよ。前に言ったでしょ? 私、諦めないって。 必ずあなたの龍哉への気持ちを壊してあげる。 たとえ、時間がかかってもね。」 ギリッて、一瞬、 無意識に唇を噛み締めてしまったような気がした。 「…会社、やめないよ。 ――…あんたに証明してやる! 私の龍哉への気持ちは絶対に壊れないって!! あんたなんかに龍哉は絶対渡さないからッ!!」 私は、気がついたら、 そう大声で麗奈に叫んでいた。 「…わかった。会社やめないのね?」 「あんたに証明するまでやめない。…あんたなんかに、負けないから。」 「じゃあ明日も宜しくね♪」 そう一言だけ言い、 後ろを振り返って、 私に手を振って麗奈はその場を去った。
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