恋愛奴隷Ⅰ

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*************** 会社を出た瞬間、電話が鳴った。 あっ…龍哉からだ。 龍哉のほうから電話してくるなんて珍しい。 通話ボタンを、 嬉しさと共に指先で押した。 「出るの遅ぇよ。 俺からの着信は2秒以内に出ろよバカ。」 「2秒以内とか無理でしょ?! …バカ!」 「いま何してる?」 「いま? ようやく仕事終わったから今から帰るところだよ。…なんで?」 「…今から俺ん家に来い。」 「は?」 「いいから来い。」 「場所、知らないんだけど…」 「そういえばそうか。教えてやるよ。…今、どこだ?」 「柳通り知ってるでしょ? あの変な看板のコーヒー店の、、真ん前にある少し大きめの会社のとこにいるよ。」 「…なら、近いな。 迎えに行ってやってもいいが、 ……自力で歩いてこい。」 「…普通、そこは迎えにくるでしょ。」 「電話で話しててやるから、 言われた通りに来い。 迷っても探してやらねー。」 「…なんか冷たいね?」 「無事、俺ん家にきたらあっためてやるよ。」 「…バカ!」 それから、龍哉と電話しながら、 龍哉の指示に従って歩き始める。 久しぶりに長電話してる。 電話越しの龍哉の声も、 好き。大好き。 だから、 龍哉の家に着くまで、 凄く凄く楽しかった。 ***************
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