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友理奈はまだ彼が好きなのだろうか?
……そう訊きたくても訊ける訳もなく、モヤモヤが心の中でずっと蠢いてる。
「ちょ、麻友っ」
「え、」
友理奈の慌てたような声で我に返ると、テーブルの上が粉まみれになっていた。
どうやらあたしは、ハンドミキサーでこれでもかってぐらいにグルングルンと掻き混ぜていたらしい。
こういうのは、力加減が本当に難しく、手にしているボールを斜めにしながら、満遍なく混ぜると飛び散らない……と母が前に言っていたのを思い出した。
「麻友、ちょっと疲れてるんじゃないの? 一週間ぐらい前からずっと変よ」
「そう、かな……?」
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