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友理奈が心配そうに顔を覗き込んできたから、一歩下がったあたしは、
無理やり作った笑顔を向ける。
……けど内心ヒヤヒヤだった。
友理奈はおっとりしているように見えて、意外と鋭い。
嘘を吐こうものなら、すぐに見破ってくるから……。
まぁあたしが嘘が下手すぎるっていうのも原因ではあるんだけどね。
「やっぱり顔色が悪いわね。後はいいから、少し保健室で休んで来たら?」
「平気だよぉ」
「ダーメ! 麻友の “平気” って言うのは、聞き飽きたから!」
そう友理奈は強く言うと、ドコにそんな力があるのか分からないけど、
無理やりあたしの腕を掴んで、引き摺るように調理室から追い出した。
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