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「僕と付き合ってください!」
この相川学園に入りはや二年目、初めての告白は男からでした。
俺の目の前で頭を下げているのは学園一のイケメン。
彩木春だった。
何故俺なのか。何かの罰ゲームか。
冷静になれるはずもなく、頭が混乱し真っ白になった。
やっと出せた声は蚊の鳴くような小さな小さな声で
「すいません…」
そういって俺は自分の寮へと全速力で逃げ帰った。
彩木春。
学園の中で知らない人がいないというほど有名で、
人に囲まれているところしか見たことがない。
いつも笑顔の人気者。
そう、例えるなら"太陽"
それに比べて俺は休み時間は教室の隅で読書。
友達と呼べるような奴もいなくて、話相手といえば9割が草や花。
俺の名前をしっている奴はほぼいないと言っていいと思う。
地味な俺は"影"
そんな正反対ともいえる俺に告白なんておふざけ以外ありえない。
大方、罰ゲームかなんかだろう。
俺が了承したところでばらして泣き顔でも見たかったのか…
生憎、俺にはからかわれる気はない。
だまされることもない。ざまぁみろだ。
…そう思いながら、少し、
ほんの少しだけ傷ついていたのは彼に憧れていたからだろうか。
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