困ったぞwww

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「光った…?」 人気のない道を歩く二人のうちの、茶色みがかった髪をした、誰もが目を奪われてしまうほどの容姿をした男か呟いたそれに 隣に並ぶ漆黒の髪をなびかせた男が呆れたような声を漏らした。 「こんなところで異世界呼び出しフラグとかやめてくれよな、完璧巻き込まれるじゃねえかこれ。」 やれやれといった様子で歩きながらも首を振る。 「…いせかい?呼び出し…?ツバキは何を言っているの?」 黒髪の言ったことが分からないと、軽く首をかしげながら問いかける。 その姿はまるで二次元にでも居るのではないかと思うほどに絵になっていて、それに対してなのか、はたまた自分が言ったことを理解していない相手に対してなのか、黒髪は再び呆れたような声を出す。 「カエデみたいなお節介野郎で人に好かれて女子からキャーキャー言われるような男がいつもなら付き纏う女子も居なく俺みたいなフツメン野郎と一緒に帰り道を歩いてる場合、基本異世界に呼ばれてセカイヲスクッテーなんて言われる流れなんだよJK」 黒髪の男がづらづらと述べ、その茶髪からすこし距離を取る。 はたから見ればこの黒髪も、茶髪のようにずば抜けて容姿端麗、というわけではないのだが 整った顔立ちや少し大きめの黒曜石を埋め込んだような綺麗な目、サラサラとなびく夕日に照らされた黒髪は、隣に並んでいても引けを取らないほどに目を引くものだ。 「要するに誰か困っているってことだよね?なら助けに行かなくちゃ!」 「そう言いながらなぜ俺の腕を掴む!!ふざけんなチートなんか貰ったところで異世界に行く気なんかサラサラねえんだよ俺は!!」 そう言い腕を振り払おうと必死にもがく、気付けば既に足元には不思議な紋章が広がっていた。 「っざけ!!!まだネザー整地してる途中なんだよ!!!!!!」 そう言って掴まれた方の手とは逆の手で『俺の』腕を掴んだ。 そう、今までずっと並んで歩いていたのに気づかれなかった、 とてつもなく影の薄い俺の腕を。 「は?」 「あ?」 「えっ?」 思わずあげてしまった俺の声で、やっと存在に気づいた2人と目が合う。 だがそれもつかぬま、俺たちの視界は真っ白になった。
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