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「!?」
さすがに驚いた。まさかこんな動きができるやつがこの世にいたなんて。
まだまだ捨てたもんじゃないと思いつつ、俺は反撃に出た。
「オラァッ!」
「へぇ、こんな状況でも反撃することができるんだ。ますます君が面白くなってきたよ」
「それはっ、ほめられっ、ているっ、のかっ?」
「これでもほめてると思うんだよ、うん。僕が、人を褒めるなんてめったにないからね」
「どうもっ、と」
俺は拳をふるった。だが当たらない。かすりもしない。さらに俺をイラつかせるのは今拳をふるっているやつが焦る顔も見せないでひょうひょうと避けていることだ。
だったら・・・
「これならどうだ!?」
足を出すと同時に頭に頭突きを食らわせた。
「え?なんだって?」
…少しへこんだのは内緒だ。
「なぁ」
「ん?なんだい?」
「このまま俺が”今のままで”拳をふるっていたとしてもお前に当たらないよな?」
「うーん、そうだね」
「うっし、決まりだ」
そういって俺はそいつから距離を離した。
「次はどんなことをしてくれるんだい?」
「へっ、驚くなよ?『リミッター解除』ボソッ」
「お?面白そうな言葉が聞こえたね。リミッター解除って」
「できる限り小さな声でつぶやいたのに聞こえるなんて化け物かよ」
「ははっ、よくそんなことが言えるね。君も同じようなもののくせに」
「なんでお前がそんなことを知っているかは知らんが、そんなことはどうだっていい
――――――――――――――もっと楽しもうぜ?」
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