2. 人類の残骸と黒髪の少女

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  俺もようやく口に咥えたタバコに意識が行って、右手に持っていたオイルライターのフリントを回す。 俺たちの小隊は、通称『マモリ小隊』と呼ばれている。 その命名には、一騎当千の実力を誇るマモリ少佐の名前と共に、オワリ村を『守る』要、という意味も込められている。 つまり、俺たちは最強の矛として『マガ』の懐に飛び込み、戦局を動かす切り札となるべき主力小隊なのだ。 そんな苛烈な戦場に素人同然の新米が飛び込んだらどうなるかは、火を見るより明らかだろう。 補充されるべきは『現状考えうる最高戦力』であって、『未来の最高戦力』ではない。 未来を担うべき人材ならなおさら、俺たちのような最前線で戦う小隊で使い潰すべきではない。 それが、うちの小隊に配属されてしまった。考えうる結論としては、あまり想像したくはないが……、  
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