3. 春は泡沫、やぶれてなお青く

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  中学に上がり、初めて岬守(さきもり)に搭乗したその瞬間から、三嶋咢人(みしま アギト)はすっかりこの乗り物に魅せられてしまった。 岬守は端的に言うと、やたら分厚く大きなハネがついたロケットのような形状をしている。 コックピットは真ん中ある楕円球形のユニットで、背部に取り付けられたメインスラスターによって縦横無尽に空を駆ける。 ハネはユニットとして両腕の感覚で操る『メインアーム』二本と、両脚の感覚で操る『サブアーム』二本で構成されており、 これらは機種やパイロットの好みによってさまざまな戦闘能力が搭載可能だ。 戦闘形態においてはコックピットユニットからこの四本のアームが分離して、より人型に近い形状となって自由度の高い動作が可能となる。  
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