3. 春は泡沫、やぶれてなお青く

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  「ひゃっふうううぅううぅ!!」 何にも脅かされること無く、ただただ自由な一生命体として、 この星の表面を覆う大気の流れと一体になって、どこまでも高く、 高く……、 『はいはーいアギトくん、授業中はあんまりハデなアクロバットしないで下さいですよー』 「うおっ!?」 何にも脅かされることが無いはずの空を、幾つもの異物が埋め尽くした。 『お友達の岬守と追突しちゃったらどうするのですかー?』 一片の怒気も含まない、天然っぽいゆるゆるな笑顔が簡単に思い浮かぶくらい柔らかい声音のくせに、やることはめちゃくちゃな力技だった。 三嶋咢人(みしま アギト)が操縦する岬守の周りに無数のシールドビットが展開、包囲。 次いで流し込まれたDM (デミ・マガ) 力場によって、シールドビットを結び目のようにした捕り網が形成されたのだ。  
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